犬も人間と同じく、腎臓の病気にかかる可能性があります。腎臓病から愛犬を守るためには、日々の食事管理が重要です。
今回の記事では、愛犬の腎臓ケアを考えたドッグフードの選び方についてご紹介します。愛犬の健康を食事面でサポートしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
犬の腎臓の働きとは?
犬の腎臓には、以下のような働きがあります。
- 体内の毒素や老廃物を尿として排泄する
- 血圧を安定させる
- カリウムやナトリウムなどの成分バランスを正常に保つ
- ホルモンを分泌して血液を作る など
このように、身体のめぐりを安定化させて老廃物を体外に排出するのが腎臓の役割です。腎臓が正常に働いていないと、老廃物が体内にたまってさまざまな不調の原因となります。
犬が患ってしまう可能性のある腎臓病の種類
犬がかかりやすい腎臓病としては、以下のようなものが挙げられます。
- 急性腎不全
- 慢性腎不全(慢性腎臓病)
それぞれの特徴についてご紹介します。
急性腎不全
急性腎不全とは、数時間~数日のうちに腎臓の働きが急速に低下していく疾患です。急性心不全になった場合、速やかに治療を行わなければ命を落とす危険があります。
慢性腎不全(慢性腎臓病)
慢性腎不全(慢性腎臓病)とは、数ヶ月~数年の間に少しずつ腎臓の機能が低下していく疾患です。腎不全に陥ると、老廃物が体外にうまく排出されなくなり、身体のなかにたまっていきます。この状態が続くと、身体にさまざまな障害が引き起こされるのです。
愛犬の腎臓ケアを考えたドッグフードの選び方
ここからは、腎臓病を予防するために配慮すべきドッグフードの選び方についてご紹介します。
タンパク質・リン・ナトリウム控えめのものを選ぶ
腎臓病の症状を悪化させないためには、タンパク質・リン・ナトリウムが控えめのドッグフードを選びましょう。タンパク質を必要以上に摂取すると、窒素老廃物が多く発生して腎臓への負担が増えてしまいます。
また腎臓病になると、リンやナトリウムを排泄する機能が低下します。腎臓にかかる負担を軽減させるためにも、タンパク質やリン、ナトリウムの摂取は少なめにとどめるのがおすすめです。
良質なタンパク質のものを選ぶ
タンパク質は量を控えめにするだけでなく、質にもこだわりましょう。とくに腎臓に配慮するのであれば、植物性タンパク質ではなく動物性タンパク質がおすすめです。
植物性タンパク質に多く含まれているグルテンは犬の体内で消化されにくいため、十分に栄養分を吸収できない恐れがあります。腎臓に十分な栄養を行き渡らせるためには、良質なチキンやビーフなどの動物性タンパク質を摂取させましょう。
オメガ3系脂肪酸が含まれるものを選ぶ
腎臓ケアに配慮するなら、オメガ3系脂肪酸が含まれているドッグフードを選びましょう。オメガ3系脂肪酸とは、DHAやEPA、α-リノレン酸などの脂肪酸の総称です。オメガ3系脂肪酸のなかでもとくにEPAには酸化ストレスの軽減や高血圧の防止作用があり、腎臓への負担を軽くする効果が期待されています。
ドッグフード以外に、水分をしっかり補給することも大切
愛犬の腎臓を健康に保つためには、ドッグフード選びにこだわるだけでなく、日ごろから水分補給をしっかりさせてあげるのも重要です。十分に水分を摂ることで、身体のめぐりがスムーズになって老廃物を体外に排出しやすくなります。
愛犬が好きなタイミングで水を飲みやすいよう、食事のときだけでなく常時水飲みを用意しておくのがおすすめです。冬場は身体が冷えないように、水を少し温めてあげるとよいでしょう。
愛犬の腎臓病を疑ったら、すぐに動物病院を受診しよう
愛犬に以下のような症状が見られたら、腎臓病の可能性を疑いましょう。
- 水を過剰に飲む
- 尿の量や回数が多い
- 元気がない、ぐったりしている
- 食欲がない
- 急激に体重が減った
- 嘔吐、便秘、下痢
- 口が臭い
- 口内炎ができている
- 貧血
- 高血圧
- 痙攣、昏睡状態 など
上記のいずれかに該当する場合は、自分で判断せずすぐに動物病院を受診してください。動物病院では、腎臓病に対して以下のような治療を行います。
- 点滴治療
- 腹膜透析・血液透析
- 食事療法
- 薬物療法
それぞれの治療法について簡単にご紹介します。
点滴治療
点滴治療では、体内に水分を補給することで身体のめぐりをスムーズにします。これにより、体内にたまった老廃物を尿として排出させます。
腹膜透析・血液透析
腎臓は一度機能が低下すると、元の状態には戻れません。したがって身体の機能を維持するために、持続的に透析治療が必要になる可能性があります。透析治療により、老廃物の排出や血圧の安定といった生命維持に欠かせない腎臓の機能を補います。
透析治療には、腹膜透析と血液透析の2種類があります。腹膜透析とは、体内に透析液を取り込み、血液に混ざった老廃物を透析液に引き込んで体外に排出させる方法です。
一方で血液透析では、血液をいったん外に出して、専用の機器を使用して老廃物を除去します。こうしてきれいになった血液を、再び体内に戻すのです。
食事療法
食事療法とは、腎臓病の症状を悪化させないために原材料を調整した食事を摂る方法です。腎臓に負担をかけないために、タンパク質、リン、ナトリウムなどを控えめに配合した療法食を与えます。
しかし腎臓病の療法食は、嗜好性の低さなどから犬の食いつきが悪いといわれています。愛犬が食べてくれない場合は、食いつきをよくするために好物を少しだけトッピングするのがおすすめです。
ただし、動物性タンパク質などが含まれたトッピングの量を多くしすぎると、犬の腎臓にダメージを与えてしまう恐れがあります。トッピングの量は、少量にとどめるよう注意しましょう。療法食やトッピングの量については、獣医師によく相談してみるのがおすすめです。
薬物療法
薬物療法では、主に血圧を安定させるための薬が処方されます。腎臓には血圧を安定させる機能があり、腎臓病を患うと高血圧になりやすいからです。高血圧を管理するために、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)という薬がよく用いられます。
薬の飲み方やタイミング、量などについては、診察の際に獣医師からよく聞いておきましょう。
まとめ
今回は、愛犬の腎臓ケアを考えたドッグフードの選び方についてご紹介しました。愛犬の腎臓を健康的に保つために、栄養バランスに気を付けて良質なドッグフードを選びましょう。
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また、ライフステージにあわせたドッグフードがラインナップされているので、生涯にわたって愛犬の腎臓ケアを食事面からサポートできます。愛犬の腎臓に配慮したドッグフードをお探しの方は、ぜひBARKING HEADS & MEOWING HEADSをチェックしてみてください。